脳と腸はつながっている⑤
本日のテーマは「脳と腸はつながっている⑤」です。脳が活動するとき、脳内の神経の間では電気信号が送られています。この伝達は神経伝達物質によって行われています。
脳内には多くの神経伝達物質が存在していると考えられていますが、その中でも重要な役割を果たしているのが、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの3つです。
何かに成功したり、人から褒められて喜んだりするときに、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。その結果、さらに快楽を得ようと意欲が高まったり、学習能力や記憶力が向上するなど、ドーパミンが分泌されることで気持ちが前向きになるといった作用があります。
しかし、ドーパミンは過剰に分泌されると攻撃的になったり、幻視や幻聴の症状が現れます。逆に不足すると、動作が鈍くなり、いわゆるパーキンソン症状が現れます。ドーパミンは適度に分泌されることが重要です。
ノルアドレナリンは、強い恐怖や緊張、不安などのストレスに反応して脳内に分泌される神経伝達物質です。分泌されることにより心拍数や血圧を上昇させ、体を興奮状態にして、集中力や意欲が高まります。
ドーパミンやノルアドレナリンが攻撃的な神経伝達物質であるのに対し、セロトニンは精神的な安らぎや落ち着きをもたらす効果があります。
脳内にあるセロトニンは、体内時計を調節したり、記憶力や学習能力にも関係しています。またドーパミンやノルアドレナリンの作用を抑えて感情をコントロールして衝動行動を起こさないようにしています。
セロトニンが不足してくると、ドーパミンやノルアドレナリンを抑えることができなくなり、集中力が低下してイライラしたり、落ち込んで感情的になりやすく暴力的になったり、時には「うつ状態」を引き起こします。
またセロトニンの不足は、睡眠の質を低下させ慢性的な睡眠不足や倦怠感・疲労感の原因にもなります。
2022年06月23日 09:33